マンションのエントランス部分の怖さは異常

帰り道、いつもの裏道を通っていた時のこと。
そこは神社の前を抜けた先にある、住人しか通らない狭い道。

ふと視線を横にむけると、垣根の隙間から白い明かりが飛び込んできた。
マンションのエントランスの明かりだ。

暗い路地から見る、茂みの向こうのまぶしい人工的な明かり。

そこでは全てがムラなく照らし出され、暗闇は存在できない。
白くざらざらした壁と無機質なタイルの床が、蛍光灯の漂白された光の下で、黙々と闇を払い続けている。

マンション内部と外界をへだてる重くて冷たそうなガラスドア。整然と並んだ銀色のポスト。奥に見える古そうなエレベーター。

そのエントランスを見たのは一瞬のことだったが、私は思った。
「めっちゃお化けでそう」

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なぜ夜のエントランスは怖く感じるのか

ひとけのない夜のエントランスを不気味に感じたことのない人は、いないんじゃないだろうか。

ジャパニーズホラーを見ていても、マンションのエントランスや共用部分は安全地帯として表現されないことが多いように感じる。

そこは「ウチ」でありながら、「ソト」でもあるのだ。

どういうことかというと、例えばエントランスに誰か自分以外の人がいたとして、その人が住人かそうじゃないか、ハッキリしないことの方が多い。

マンションの規模にもよるが、その人が遊びに来た人なのか、別の階の住人なのか、業者なのか、判別できる時の方が少ないだろう。もしかしたらお化けかもしれない。

エントランスに暗闇は残されていないかもしれないが、知らない人と遭遇するかもという不安は決してぬぐえない。

それが夜のエントランスを怖いと感じる原因の一つだ。

そしてもう一つの要因は、蛍光灯の白さにある(と思っている)。

夜、帰宅して見る明かりにしては、明るすぎるし白すぎるのだ。まるで学校か職場、あるいは病院のような雰囲気があり、落ち着いた気分にはなれない。

一般的な照明の色はだいたい5種類ほど。そのうち「白い」と感じる明かりは「昼光色」「昼白色」「白色」。

果たして私が「お化けでそう」と思ったエントランスの蛍光灯はどの種類だったのか。

しらべてもよくわからなかった。

おそらく6500kの昼光色じゃないかとは思うが、実際に蛍光灯の型番を見たわけではないし、蛍光灯の種類に普段意識を向けることが無いのでよく分からなかった。

PCの画面上で見る色と、照明の色の説明書きから推測しようとも思ったけど、どれも「自然な色です」とか「爽やかな色です」とか「落ち着いた色です」とか、分かるかってんだ。「夜に見るとホラー映画みたいな雰囲気を醸す色です」ってどこにも書いてないんだもん!分かんないよ!

築浅のおしゃれなマンションなんかは共用部の照明がオレンジ色で、やわらかい。じゃあ古いマンションだからギラギラ眩しい蛍光灯なのかというと、まあそうだろうが、白い蛍光灯を利用するのは「夜でもハッキリ見えるから」という防犯上の理由も(一応)あるらしい。

ただ、蛍光灯だけが悪いわけではなく、壁や床が白いというのも緊張感を生じさせる要因だと思う。白い光が白い壁や床に反射して、もうとにかく目が痛い。

そしてあたりが白いと、より一層存在を際立たせるものがある。

黒いものだ。

黒いものたちは明るいのが好きなので、夜になると明かりを求めて照明のあるところへやってくる。

白い壁や床に、小さくて黒っぽくてすばしっこいものがくっついているのを見てしまった時、なにかと遭遇するかもという不安は恐怖という確信へと変わるのだ。

*個人の見解です

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